サポステ塾担当 Uです
何故か、「無業の若者」という言葉に違和感を持っていた。ニートという言葉もあるが、他に適切な日本語がなくてしかたがないとは思う。でも、どうしてか違和感がずっとあった。
ところでこのところ、コロナの問題があり、すべての面談は電話面談になっている。私が担当している利用者の方々は、この方が緊張感が少なくていい、と言われ方が少なくないようだ。
そういう訳で電話面談、「最近、どうですか」、という質問から入る。私の常套句である。あいさつ代わりの言葉だ。するとこれまた同じように、「別に変わりありません」という応えがある。展開に苦労する。そこで、「どういう一日を送っておられますか」、と少し踏み込んでみる。何故ならそういう質問でもしなければ中々、次につながる話がつかめないから。
曰く「本を読んで、テレビ見て」、・・では午後は?、「買い物に行って、○○して」と言われる。そうなると、私などは何となくこの方の日常が分かった気になるし、聞きながら頭の中はそしてどうしたら動いてくれるだろうか、と。・・・語られている現実が、いつも同じで面談の最終目標としていることとほど遠い感じになり、少し気が重たい。
思い直してみると、私は自分の面談の中でどうも「事柄よりも、気持ちや考えを聴く方がずっと大事」だと思い込んできた節がある。しかし、今は、「あれか」「これか」ではなく、「事柄も」「気持ちも」、どちらも大事で、優劣つけがたい、と思うようになってきている。
そういう思いになっている中で、利用者のAさんに、「もう少し自分がやっていることを詳しく話してくれませんか」、と展開してみた。そして私の方から「自分の食事の片づけはどうしてますか」とか、「自分の部屋の片づけはどうしていますか」、などといわば、「根ほり葉ほり」の質問をしてみた。
すると、親への依存的なイメージとは違い、意外に、「自分のことは自分で」、という側面を語られることがある。「ああ」これは、「リソースだ」と感じ、展開してみようと思い、「他にやれそうな『仕事』はなんですか」、と聞くと、「洗濯を仕舞う事」、「ゴミを出すこと」、などを上げられた。・・・リフレーミングすれば、これらは実は、「内側の仕事」とも言えることではないか!。なら、お母さんから「アウトソーシングされた仕事」を請け負っていてAさんは、無業ではない!、そう云っていいのではないか、と考えた。そして急に、「この家庭を職場に見立ててみよう」、という発想が芽生えた。すると、この家庭は○○会社となり、父親が社長、母親が副社長、かなりいびつな組織かもしれないが、本人が社員となる。(笑)そして、母である副社長がいくつかの仕事を「アウトサーシング」して、父親である社長がそれに「給与」を出せば、彼は「無業の若者」ではなくなる!、・・・・そして「きちんと、仕事内容が説明され」「やったことを評価され」、それに見合う「給料」が出れば、もう「無業の若者とは言わせない」(笑)、・・そして褒められ、自信をつければ自己肯定感もあがり、○○会社から、「外の仕事」に転職することが可能になる。・・・・私の中にこういう妄想が湧いてきた。(笑)